手術

始まるまではとにかく緊張した。やっぱり手術は恐い。しんどい思いをしてストレッチャーに移り、そこから手術室まではかなり長く感じられた。

まずは、体を横に倒して腰を丸め、腰椎の間隔を広げてそこに麻酔針を突き刺す。体位を維持するのが辛い。そのうえ腰椎に針を刺すなんて!と思っていたが、意外と痛くなかった。麻酔薬を流し込む時に鈍い痛みが走る。それから、麻酔の効きを確かめるために氷を当てられ、冷たいか冷たくないかという押し問答のようなものがしばらく続いた。だんだん左足が正座をしていてしびれたような感じになってくる。下半身麻酔は痛みだけを麻痺させるので、完全に感覚が失われるわけではなかった。仰向けに寝かされ、下半身の衣服をはぎ取られる。やがて足に麻酔が効いてきたので、尿道に管を入れられそうになったが、そちらは痛くて入らなかった。何も始まっていないのに既にへとへと。みんなが自分の性器を見て笑っていた気がする(妄想)。

いよいよ手術の体勢に入る。産婦人科のようなカーテン付きの台があてがわれ、けがをしていない方の右足はひざを立てた格好で固定された。左足はまっすぐに引っ張られ、同じように固定される。まだ氷の感触が微妙に感じられるが、医者はこんな風に引っ張って、もし麻酔が効いてなかったら拷問だよ、とか言って笑っていた。

いよいよ手術が始まった。麻酔のせいでいつ切開されたかも分からないが、やがて甲高いドリルの音が聞こえてきて、実ににぎやかだった。とんかちでがんがんたたかれると腰に響いた。まるで大工仕事のようだ。もう疲れて半分寝ながらぼんやり考えた。医者がいいねえ、それいいんじゃない?とか軽い感じで仕上がりを自画自賛しているのは確かだったと思う。やがて手術は終わり、改めて尿道に管を通された。

ちなみに、出来上がり図はこんな感じ。僕のは転子部にのびてる斜めの棒は一本です。
http://www.homs.co.jp/inplant/02.html